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伝えた相手に「わかりやすい!」と言ってもらえる。
「わかりやすく伝える」というのは、ある意味、永遠の学習課題…
日々、経営者や幹部の方と対話しているボクは、そんな風に感じています。
なぜなら、わかりやすさというのは、聞く側の判断に100%委ねられるものだからです。
なので『これがわかりやすい伝え方だ!』という決まった正解は無いと思うんです。
しかし、ある程度「これはわかりやすく伝えるときの大切なポイントだよね!」というのは存在します。
「わかりやすい」と言われるために。
a.簡単な言葉で伝えているか?
「簡単な言葉」というのは、話しを聞く側にとって「馴染みのある言葉」のことです。
専門用語を使ってもいいのです。
伝えられる側が、実際に活用している言葉。
馴染みのある言葉なら、言葉自体が難しいものでも問題はありません。
しかし、馴染みのない言葉でモノゴトを説明したり、想いを伝えようとしても、なかなかうまく伝わりません。
なぜなら、相手の頭の中にイメージがわかないからです。
伝えるというのは、結局のところ、相手の頭に「イメージ」を創ることです。
イメージが湧く前に「ナニを言ってるのかな?難しい…」と思われては、コミュニケーションはうまくいきません。
b.伝えたいことが長すぎない?短すぎない?
話が長い。
これは、“熱い”経営者や幹部の方によくあるパターンです。
「とにかく、全部の情報をあますところなく知らせたい」という想いから、どうしても話しが長くなってしまう。
聞いている側からすると、「結局、ナニを伝えたいんだろう?」と、なります。
また、聞き手に後々『「そんなこと、聞いてない」と言われるのがイヤ!』
そんな不安や怖れを持って話している場合も、話しが長くなることがあります。
c.図や絵、体感といった、言葉以外の伝える材料を活用しているか?
言葉は“その人が持つイメージにアクセスする「記号」”とも言えます。
例えば「信号機をイメージしてください」と伝えた場合、聞き手の頭の中には慣れ親しんだ信号機が頭の中に浮かぶでしょう。
慣れ親しんだ信号機が横型の人も入れば、
雪の多い地方の方なら、縦型のものをイメージする人もいると思います。
(こんな感じの⤵)
同じ役割や機能を持ったものでも、人によってイメージするものが“少し”違ったりします。
この“少し”の違いが、仕事においての対話を妨害することは、本当によくあることです。
理解していることのナニが違うのか?
そこに心を配れる人は、対話を妨害していることに気がつけます。
そして、その対話を妨害していることをクリアにするために、図や絵を上手に使います。
d.“例え(比喩)”を用意できているか?
モノゴトを伝える時には、伝えたいことをダイレクトに伝えた方がわかりやすい場合と、モノゴトを聞き手がイメージしやすいもので例えた方がわかりやすい場合に分かれます。
ダイレクトに伝えた方がわかりやすいケースは、伝える側・伝えられる側が、同じ時間、同じ場所に存在しているなどの条件がそろっている場合です。
例えば、サロンで同じ時に、同じお客様を担当していた。
そのお客様について、その時の仕事についてのフィードバックを行う。
このような時は、“例える”必要性は少なくなるでしょう。
逆に、もっと抽象的なこと。
例えば「良いスタイリストってどんなスタイリストだと思う?」みたいな対話を行う場合は、例えが必要です。
この“例える”というのは、「わかりやすい」と言ってもらえるかどうかを左右する重要なポイントです。
また、練習次第でどんどん上達するものです。
まとめ:わかりやすい伝え方
わかりやすく伝えられる人は、伝えることを『仕事』だと認識しています。
「仕事」なので、分解して、それぞれの項目をトレーニングしていけます。
また、どんな分野でも“トレーニング”とは、すごく地味なものです。
“伝える”ということも、例外ではありません。
そして“伝える”マインドを育み、スキルを身につけるトレーニングは、「書く」ことしかないのです。
書いて、伝えて、修正して、また書いて、また伝えて、修正して。
この繰り返しでしかないのです。
この繰り返しによって、誰でも『伝える力』を身につけることができます。
あくまでもボクの感想ですが…
セミナー後に理美容師さんにアンケートを書いてもらっています。
その数は1,000枚を超えていますが、その90%以上の文章が、読み手のボクがかなり脳内補完して、初めて意味が伝わってくるものなのです。
ということは、仲間同士で深い話をしようとした時、殆どの場合、「ナニを言ってるのかわからない」と、お互いが感じているということです。
ナニを言っているのかわからない…
けど、感受性の強い理美容師同士は、「なんだか気持ちはわかる」という状況になります。
これ、なんとも切ない状況なのです。
理美容院の経営者・幹部の方は“伝える”仕事が必要なら、「仕事のクオリティをあげる」と決意してください。
そして、焦らずリラックスしながらトレーニングに励んでいきましょう。
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