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本記事でお答えしているお悩み
無能な部下にイライラしています。部下は真面目で悪い人間では無いのですが、モノゴトの要領を得ず仕事の優先順位を理解してくれません。
また同じようなミスを繰り返します。その度にフィードバックしていると、イライラして責めてしまう自分がいて、そんな自分が嫌なヤツに思えてくるのが辛いです。何か良い考えがあれば教えてください。
こんなことを感じている経営者・幹部の方のための記事です。
上記のようなことを感じているなら、ぜひ本記事をご一読ください。
この記事を最後まで読んでもらえれば、部下が無能化してしまう原因がわかります。
と、同時に具体的にどう関わっていくのがベストなのか。数ある選択肢の中から自分が「自分自身に納得できる」ベストな関わり方を選択することができるようになります。
記事の信頼性を担保する情報
- 1,000人以上の人間関係に悩む経営者・幹部にエグゼクティブ・パーソナルセッションを実施
- 経営者・経営幹部・ビジネスパーソンに対話と人間関係の仕組みを伝える企業研修を提供
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無能な部下に上司が愛をもって関わるとは?
今回のテーマは『無能な部下と愛のある関わり方をする』です。
「何回言っても理解しないなぁ...」とか「なんでこれがわからないかなぁ、初めてのことじゃないよね?」と、あなたも一度は部下に感じたことがあるのではないでしょうか?
一度ならいいのですが、何度も続くと部下に「無能な奴め!」とレッテルを貼ってしまいたくなる気持ちもわかります。
しかし上司がひとたび部下に「無能」というレッテルを貼ってしまっては、そこから部下の成長を期待することはできません。
なので、無能というレッテルを貼るのはなんとしてでも避けたいところです。
また、これは部下の成長のためだけでなく、上司であるあなたの心の健康のためにも重要なことです。(日本語には人を呪わば穴二つという言葉がありますが、呪いに限らず人に対して無能だと決めつけているとその報いは自分に返ってくるものです)
部下にレッテルを貼らないために(もしすでに貼ってしまっているなら取り除くために)まずは部下が「どうして無能化してしまうのか?」を一緒に考えていきましょう。
無能な部下なんて本当はいない!?
- 才能や資質に合っていない仕事をしてる
- 怒られるのが怖い、という怖れの感情が動機になっている
- 自己肯定感が低い状態で仕事をしてる
- 頼れる人がいて自分で責任を負うことがない状態で仕事をしてる
パッと思いつくだけでも部下が無能化してしまう原因はいくつか考えられます。
これらの理由は全て部下本人の選択、もしくは部下を取り巻く環境が原因となっています。
ここで明確にしておきたいのは「最初から無能な人間などいない」がボクの考えです。
あくまでも「無能」とは本人の選択と環境、さらに「あいつは無能な奴だ」と判断している第三者がいて初めて起こる現象だという考え方です。
こんなことを言うと「なんか綺麗ごとに聞こえる...」とか「無能なやつは無能だよ!」と言いたくなる方もいるでしょう。
また「田口は中小零細企業の現場で働く人間のことを知らないだろ!?」という声があがるかもしれません。
しかし、そんなことはありません。
ここではあえて多くを語るのは控えますが...「取引先にそれしちゃう?」といった発狂してしまう事案や「それって警察に行くべきことですね涙」といったコトを起こす部下と直接関わったこともあれば、現在進行系で経営層からもそのような部下について相談されています。
これらの問題は優秀な人だけが集まる会社で働く人には想像外のことでしょう。
Twitterなんかでは「部下のことを無能だという上司こそ無能」という呟きを多くみます。ボクもこの意見には賛成ですが、それでもほんの少しだけ「本当にヤバい人間を部下にしたことがない人の呟きなんだろうなぁ」と感じているくらいですから。
話しが脱線したので戻します。
とにかく「無能な部下」にはその部下の選択と環境、そして「無能な部下」と決めつけてしまった上司が関わっています。
この3つの状態を紐解いていかないと、部下も上司も不幸になるだけなのです。
無能な部下には愛をもって関わるために最初にすべきこと
それではズバリお悩みの解決策をお伝えします。
『無能な部下には愛をもって関わる』
です。
無能な部下に愛をもって関わるとは「部下に対しての価値判断を緩めていく」ということです。
「人」に対して条件をもつ必要はありません。
「イライラして責めてしまう自分がいて、そんな自分が嫌なヤツに思えてくるのが辛いです。」というのは「これくらいできなきゃ人としてダメだろ」と、部下に対して無意識に課している条件が発端となっている思いです。
「部下に成長して欲しい」とか「このままでは将来どうするんだ...」という親心のような愛がうまく部下に伝えられていないことによってフラストレーションを覚えるのです。
この状態をボクは『愛がねじれた状態』と呼んでいます。
このねじれを解消するために、最初に取り掛かるのは仕事と人をわけて考えることです。
あなたが何をもって部下のことを『無能』な人として観ているのか?
上司であるあなたが持つ『無能の定義』を明確にすることから全てが始まります。
あなたが部下のことを【無能な人間】とみなした時、それはあくまでもあなたの定義によってそう見ているに過ぎません。
だから、あなた自身が「無能」の定義を明確にしなくてはいけないのです。
有能な人が存在する以上、無能な人も存在してしまいます。
しかし、あなたの部下が全てに関して無能というわけではありません。
「たまたま、やってる仕事が合っていないだけかもしれない」
「まだ部下は自分の才能を発見していないだけかもしれない」
このように部下の見方に対して疑問を持つことによって、部下に対する価値判断が緩まっていきます。
これが「愛を持って関わる」のスタートになります。
※無料でプロに相談してみるという近道
もし、あなたが自分なりに部下には充分寄り添った...けど「なかなかうまくいかないなぁ」と感じているならプロに相談してみるのもありかもです。エグゼクティブ・パーソナルセッションは初回無料なので安心して相談できます。
無能な部下に愛をもって関わるための5STEP
『無能な部下に愛をもって関わる』ための具体的な方法をご紹介します。
STEP1~STEP5を行うことによって自然と自分にも相手にも愛を感じられるようになっていますので、一つずつ丁寧に行っていってください。
STEP1:自分が持つ『無能』の定義について知る
自分が「これは無能な人間がすることだ」と思う理由を箇条書きで書いてみてください。
一通り書き出したら「なぜ、こういうことをする人を無能だと思うようになったのか?」
過去の体験に意識を向けてみましょう。
あなたが「これは無能な人間のすることだ」と思う理由は、必ず過去の体験からやってくるものです。
その過去の体験が整理されていないと、感情的な反応で「あいつは無能だ!」とレッテルを貼ってしまいます。
逆に言えば体験が整理されていると、自分が「無能だと思うこと」を理由(エピソード)をつけて説明できるようになり、部下に教えることができます。
STEP2:無能だと思ってる部下の才能や強みを観てみる
ステップ2では、無能だと決めつけてしまっている部下について、新しい見方をしていく意欲が必要です。
無理に「無能だと思わないようにしよう」とするのではなく、部下の才能や強みなどポジティブな側面に目を向けます。
新たな目で見ていくと、例えば「優しい」という才能を発見するかもしれません。
(※優しさも立派な才能です)
部下の良いところをできるだけ箇条書きにします。
書き出したリストを眺めていくと、部下に対しての自分の見方が局所的だったことに気がつきます。
ここでは「あっ、こんな才能があるなぁ」とか「これは得意だよな」と気がつくだけで充分です。
STEP3:部下の才能や強みが仕事にあっているかを考察
部下のポジティブな側面、ネガティブな側面を理解した上で、現在の仕事が部下の才能や強みが活きる仕事かどうかを考察してみます。
自社の中で部下の才能が輝くような仕事があれば、その仕事をしてもらうようにしましょう。
もし無ければ、その事実をしっかりと受け止めてください。
STEP4:部下と『無能』の定義を揃えるために対話しよう
自分の考えがある程度整理されたら、部下と対話しましょう。
まず部下にあなたが思う有能・無能の定義を伝えます。
そして、部下にも有能・無能なのかを考えてもらい意見を聞いていきます。
この対話によって「無能」の定義が同じか、はたまたどれくらい違うのかがわかってきます。
定義が揃うことによってフィードバックは格段にスムーズになります。
ここで一つ注意点をお伝えします。
よくあるケースでは部下が「そんなこと考えたこともなかった」ということがあります。
これを言われると愕然とする人がいます。
しかし、考えたこともないから無能な状態になっていると考えれば、当然のことです。
その状態を受け入れ部下と粘り強く対話してください。
STEP5:お互いにとって成長できる関わり方を対話しよう
ステップ5ではあなたが部下に「できること、できないこと」を誠実に伝えます。
そして、部下にも一緒に成長していく意欲があるのか?まずはその本心をしっかり聴いていきましょう。
そこまで確認し合意がとれたら、どのように関わり方をすればお互いが成長できるのか?
また良い気分で仕事ができるのか?を話し合っていきましょう。
まとめ
『無能な部下に愛をもって関わる』というのは部下に対する価値判断を緩めていくことでした。
価値判断を緩めるためには、現在自分が下してる価値判断を理解し手放す。
そして、自分だけの正解ではなく部下と話し合って二人の間に新しい正解を築いていく。
そうすることで、部下を責めてしまう状態から自分が抜け出せるのです。
部下が無能化してしまう原因にあなたが主体的に関わっていくと、自分のことも部下のことも大切にできるのでイライラした気持ちが消えていきます。
あなたがとった行動の結果がどんなものでも安心してください。
(例えば部下がさらに自分にあった仕事に転職する、というケースでも)
大切なのは一連のプロセスを通してあなたが部下に対する見方を変えるために行動を起こしたことに意味があります。
それでは、ぜひ5STEPを焦らずリラックスした気持ちで取り組んでみてください!
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