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本記事でお答えしているお悩み
部下にイライラしてしまいます。
なるべく明るい雰囲気の職場を創りたいと思っているので、怒らないように我慢しているのですが、同じようなミスを繰り返していることや、やる気が無いような態度をとられることにイライラします。
これは私の我慢が足らないのでしょうか? 何か良いアドバイスをよろしくお願いします。
こんなことを感じている経営者・幹部の方のための記事です。
人間誰でもイライラしてしまうことってありますよね。
ボクも同じミスが繰り返されたり、急ぎの仕事がおざなりにされたりしているのがわかった時なんかは当然イライラしますから、相談者さんの気持ちはよくわかります。
今回は多くのビジネスパーソンのご相談にお答えしてきた経験から、イライラの感情をポジティブに活用するためのエッセンスをお届けします。
記事の信頼性を担保する情報
- 1,000人以上の人間関係に悩む経営者・幹部にエグゼクティブ・パーソナルセッションを実施
- 経営者・経営幹部・ビジネスパーソンに対話と人間関係の仕組みを伝える企業研修を提供
- これまでにのってきたご相談を100にまとめた〈相談実例100選〉あり
部下にイライラした時の3ステップ解消法
本記事では「部下にイライラするわ~」と感じた時に、どのように行動すれば良いのか?具体的な解消方法を3ステップで解説していきます。
イライラした時の対処法を知っておくと、まずあなたのストレスが軽減できます。
心の健康をキープをするのは大切です!
また、部下との対話が深まります。
その結果、部下の成長につながるようなサポートが可能になります。
ぜひ本記事を一読してもらい、実務の中で活用してください。
イライラという感情の正体を知る
「イライラしてしまう」のイライラとは一体何なのでしょう?
ボクは『あなたが部下に抱いている「勝手な期待」』と定義づけています。
相談者さんからよく聞くイライラの原因には次のようなものがあります。
- 注意しても同じミスを繰り返す
- 指示を出しても期限を守らない
- (上司である)自分に対して敬意がない
- 口ばっかりで実力が伴っていない
- 少し厳しく注意するとすぐに凹む(甘えているようにみえる)
上記のイライラの原因を見ながら、どんな「勝手な期待」が隠れているのか?少し考えてみてください。
例えば、次のような期待が隠れていることが多々あります。
- 注意しても同じミスを繰り返す→「一回でできるようになってもらいたい」
- 指示を出しても期限を守らない→「提出期限を守って欲しい」
- 自分に対して敬意がない→「敬意を払って欲しい」
- 口ばっかりで実力が伴っていない→「実力をつけて成長して欲しい」
- 少し厳しく注意するとすぐに凹む(甘えているようにみえる)→注意した内容に向き合い、逞しく育って欲しい
当然、部下に期待することは悪いことではありません。
人間には「期待をかけられ成長する」という側面があります。
問題は期待ではなく「勝手に」の部分です。
期待している内容が共有されていない。
これがイライラするの根本的な問題の原因です。
期待している内容が共有されていない。という事実を無視して、イライラすることを我慢しているビジネスパーソンはたくさんいらっしゃいます。
しかしイライラしてるのを我慢していても根本的な解決には至りません。
我慢はストレスを拡大し、上司であるあなたのメンタルを蝕むだけです。
そして我慢の限界にきた時にはイライラが爆発して激怒に変わるのがオチです。
悲惨な結末を迎えないためにも、本記事では「勝手に期待していることに自分で気がつき、期待していることを言葉にして伝える」という解決方法を提案しています。
部下が見せてくれたボクの持つ"勝手な期待"
20代の頃のボクは「一回教えたら、あとは自分の頭でよく考えろよ!」と思っていたダメ上司でした。
その頃はほんと、良くイラついていたものです。
イライラしていた原因は「成長してもらいたい」という思いも当然あったのですが、それよりも当時のボクが部下の心に寄り添うことができなかったからです。
そのため、「給与増やしたいなら〇〇」とか「成長したいなら〇〇」ととるべき行動を指示するだけで、後はほったらかし。
そして、何も行動していない部下には「期待するのは無駄」と心の中で完全に切り離していました。
こんな調子なので、どんどん期待することは減っていって、最後は大きな孤独感を抱えながら働いているような状態でした。
「口では良くなりたいと言いながら、あいつら別になんにも行動を起こさないし…」と思ってしまっていたのです。
しかし、よく考えたら一度も部下に自分の想いを語っていませんでした。
自分が「なぜ」期待しているのか?
その期待に対して、ボクがどんなサポートをしてあげられるのか?
何も部下に伝えていなかったのです。
当時のボクは勝手に期待して、勝手に裏切られたような気分になって、勝手に期待をするのをやめていたのです。
本当は『期待をわかちあう』ことが大切だったのに!
あの頃の孤独感を伴う体験がボクにこのことを教えてくれたのです。
イライラの感情を上手に活用してマネジメント上手になる3ステップ
それでは部下にイライラしたら、具体的にどうして行動していけば良いのか、3ステップで簡潔に説明していきます。
STEP1 自分は何を勝手に期待していたのか?と自問する
イライラしたら、相手に向いている意識を自分に向けます。
そのために「自分は何を勝手に期待していたのか?」と自問します。
イライラしたできごとの奥に自分の本当の望みがありますから、その願望を発見していくことに集中します。
ワンポイントアドバイス! イライラした場合は、部下と話しすのを中断し一人になれる場所にいきましょう。 自問自答する環境を設定するところからスタートするのがオススメです。
STEP2 部下に期待していたことを理由と共に伝える(知ってもらう)
自分の中に存在した「勝手な期待」を発見したら、その期待を言葉にして伝えましょう。
ここで重要なのは「理由と共に」伝えることです。
例えば「〇〇さんには□□という才能がある。その才能が潰れてしまうような行為をされるととても残念な気持ちになる」という感じです。
上記の例では理由と共に、感情(気持ち)を伝えています。
この『気持ちを伝える』という行為にはイライラを軽減させ、相手と理解を深めあうという目的があります。
ぜひ、理由が伝えられるようになったら、感情を伝えるということもチャレンジしてみてください。
STEP3 期待通りにいかなかった場合はどうするのかを決めておく
それでもなお、期待通りにいかなかった場合はどうするのか?
部下に期待していることをしっかりと理由と共に伝え、サポートも充分にした。
それでも部下が同じようなミスを繰り返したり、やる気が無いような態度を取り続けるのあれば、その時はどうするのか?事前に決めておく必要があります。
著しく会社に損害を与えるようなケースでは、場合にはよっては降格や解雇などもあるかもしれません。
そのような決断になるかもしれないことも踏まえて、事前に決断しておきましょう。
どんなことでも「許容範囲」があります。
この許容範囲の管理を"なぁなぁ"にしてしまうと、組織全体に悪影響を及ぼします。優しい人でも、ここは心を鬼にして決断してください。
イライラの正体は自分の勝手な期待
結論としては、イライラは『あなたが部下に抱いている「勝手な期待」』からやってくるものでした。
巷では感情をコントロールしよう。とよく言われています。
しかし、感情はコントロールできるものではありません。
毎日のようにニュースをつけたら悲惨な事件が取り上げられています。
そもそも人間が感情を上手にコントロールできていたら悲惨な事件なんか一つも起こることは無いでしょう。
最初から感情コントロールなんて無理なコトとだと"知る"ことが大切です。
そのかわり、感情は思考から生み出されているので、モノゴトの見方や思考をコントロールする方がよっぽど上策なのです。
どれだけ感情をコントロールしても「我慢」にはいつも限界があり、溜め込んだ分だけ爆発した時には威力が増します。
本記事でお伝えしたように、感情をコントロールするのではなく、感情の源に向き合っていきましょう。
慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、3ステップを実践していくと、自分自身の心の健康をキープする術が身についてきます。
同時に部下との対話が深まり、上司として部下の成長につながるようなサポートを行うことができます。
簡単セルフワークをご紹介
イライラするのも嬉しいと感じるのも、そこに自分の隠れた期待があることに変わりはありません。
まずはポジティブなできごとで自分の隠れた期待を探す練習をしていきましょう。
オススメのセルフワーク
部下が行ったことで、あなたが「嬉しい」というようなポジティブな感情がわいた時に『自分は何を勝手に期待していたのか?』と自問してください。
できれば自問自答しながら、自分の考えを紙に書いていきましょう!
あなたの部下に対する勝手な期待を表面化するのがこのセルフワークの狙いです。
ぜひ粘り強く実践してみてください。
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