【読了時間 約 15 分】
YouTube(ピリ辛相談 JRadio)の質問フォームからこんなご相談が寄せられました。
質問してくれたのは、40代前半の男性で卸業の会社の係長、ニックネーム「コウ」さんです。
課長がいつも部長から回ってくる仕事を部下に丸投げしてるだけで。
販売活動の邪魔をしてきます。
やっても売上に繋がらない管理表の作成(部下に数字意識を持たせる為との事だが既に意識してるし、課長はしなくていいので楽です)など10項目ほど。
さらに「働き方改革や!」と矛盾にも気付かず、部下のモチベーションを上げて売上アップをはかるという課長の仕事が出来ていません。
昨日、それを遠回しに課長に伝え「仕事のスリム化を図りましょう」と提案しましたが、無視されました。
「課長代わりましょうか?」と言いたいくらいです。
部長と私は仲がいい方なので告げ口もできますが。アドバイスよろしくお願いします。
本記事ではコウさんのご質問にお答えする形で、「仕事を丸投げ」をされた場合、どうすることがベターなのか?
ファーストステップについてお答えしていきます。
記事の信頼性を担保する情報
- 1,000人以上の人間関係に悩む経営者・幹部にコミュニケーションを伝授
- 経営者・経営幹部・ビジネスパーソンに対話と人間関係の仕組みを伝える企業研修を提供
- これまでにのってきたご相談を100にまとめた〈相談実例100選〉あり
仕事を丸投げされない自分づくりは中間管理職の方に必須!
この記事を読むことで『仕事を丸投げされない自分づくり』の基本がわかります。
(もちろん、記事に書いてあることを実践していけばの話ですが)
その結果、これまでは「仕事を丸投げしてくる上司はウザい!」となっていたのが、「意見を交わすことができるようになって、自分が納得しつつ仕事に取組むことができる!」となります。
さらには、上司・部下と良い関係を育むスキルが身につきます。
仕事を丸投げされた場合どうすればいいの?では根本的な解決にならない
ズバリ!
仕事を丸投げされた場合どうするかより、仕事を丸投げされないこと
これがいちばん大切なポイントです。
ということで、まず「仕事の丸投げ」とは何なのか?
改めて確認しておきます。
①ある仕事を丸ごと全部委託すること。
②建設業界において、利鞘(りざや)を稼ぐことを目的に、受注した仕事のすべてを同業他社に委託すること。建設業法で禁じられている。一括下請負。
大辞林 第三版より
コレを質問者さんの立場に当てはめてみると「上司が仕事のプロセス・成果に対して無責任な状態で指示を出してくる」といったニュアンスになると思います。
次に、仕事を丸投げされた場合どんなことが起こるのか?
考えてみました。
仕事を丸投げされた場合のネガティブな側面
- 成果とは関係のない仕事をやることになる
- 時間の有効活用が困難になる
- 上司の思いつきで仕事を丸投げされると、振り回されてしまう
- 心理的ストレスを感じる
このような状態は、誰でも不幸を感じる状態です。
さらに『仕事の成果』という観点から考えても「無駄」と言わざる得ないでしょう。
では、仕事を丸投げされたことによって生まれるストレスを無くすためには、どうしたらいいのか?
もちろん、「仕事を丸投げしない上司」を持つのがベストな方法です。
なので、部下を一人でも持つ読者の方には「仕事の丸投げにならない伝え方」を覚えてもらいたいところです。
しかし、現実的には日本中の至るところで、多くのビジネスパーソンが上司から仕事を丸投げされています。
(坂道と同じです。上り坂・下り坂は全く同じ数だけあります。仕事を丸投げする上司がいれば、必ず丸投げされている部下の方が存在します)
で、仕事を丸投げされた場合、最も効果的でストレスフリーになるためにすべきことは、
『きっぱりNO!を言う』
ことです。
これしかありません。
「その仕事はできません。なぜなら...」
こう伝えるのが正解です。
(あくまでも「意味の無い無駄な仕事」「丸投げ」という条件のついた仕事についてのみです)
仕事で成果をあげるために。
そして、自分の時間や心を守るために。
仕事を丸投げしてきた上司に、ハッキリ「できない」と伝えましょう。
人は誰でも、納得していないコトを実行するというのは苦しいものです。
仕事なら『納得して、気持ちよく実行していく』方が、どんな仕事もやりがいを感じられるものです。
自分の「気持ち」を大切にするのは、とても大切なことなのです。
さらに言えば、自分の「時間」を守るのも大切なことです。
「やるべき仕事に集中」してこそ、顧客や会社に貢献できます。
『やるべき仕事』の認識が上司とズレていると、無駄が生まれ、無益が生じます。
※この認識のズレが今回の質問者様と上司の間に「丸投げ」が存在する理由です。
上司が「思いつき」を「良かれ」と思って伝えているもの、それが丸投げ仕事
私自身も若い頃は上司から仕事を丸投げされた経験が多々あります。
「周りの人間を巻き込んどいて〜」
「〇〇作っておいて〜」
「〇〇やっておいて〜」
といった具合です。
最初の頃は丸投げされていることすらわからず、ただガムシャラに仕事をこなしていました。
(いま考えると、20代前半の私はとても純粋でした(笑))
しかし、徐々に仕事のポイントがわかってくると
- 「コレ、意味の無い仕事だな」
- 「作業量から考えるとコスパの悪い無駄な仕事だな」
といった具合に、無駄な仕事に気がつくようになりました。
気がついた時には上司に「この仕事の目的は何ですか?」と質問するようになりました。
たいてい、煙たい顔をされていたように記憶しています。
なぜ質問しただけで煙たい顔をされるのか?
煙たい顔までいかなくても、上司が困惑した顔をしたのか?
それは、丸投げした仕事の
- 目的
- ゴール
- プロセス
- コスト
などについて、よく考えられた仕事では無かったからだと思います。
質問に答えてもらえないような仕事というのは、「丸投げされている仕事」だと気がつくようになりました。
そこから「ハッキリ断る」
もしくは、より意味のある仕事をするために、代替え案を伝えるようになっていきました。
代替え案を伝えるようにしたのは、丸投げされた仕事を意味のあるものに変換し、仕事のワークフロー自体に私自分が責任を持つためです。
そんな経験をしていく中で最も大きな気づきだったのは、上司には『仕事を丸投げしている意識が殆ど無い』ということです。
多くの場合「思いつき」を「良かれ」と思って伝えてくるだけです。
それが部下からしたら、結果「仕事を丸投げされている」状態になってしまうのです。
ある意味で「仕事を丸投げされた!」というのは、この程度のコトと言えます。
この程度のことなので、丸投げされた仕事はハッキリ断る。
もしくは、代替え案を提示する方が関わる人みんなにとってプラスになる。
そう、考えるようになりました。
上司から丸投げされた時に、きっぱり断れないから相談してるんですけど...
ココまで読んでいただいて「仕事を丸投げされた時にきっぱり断れないから相談してるんですけど...」
そう感じている方もいらっしゃるかもしれません。
真の問題は「仕事の丸投げ」ではありません。
仕事を丸投げされた時、自分が思っていること(無意味なことはしたくないといった思い)を伝えられていない。
その苦しみが「悩み」になっているのです。
ということは、この記事で質問者さんのお役に立つためには、
「どうしたら仕事を丸投げされたとき、きっぱり断れるようになるのか?」
にお答えしないといけない。
そう思ったしだいです。
上司に仕事を丸投げされた時、きっぱり断るためのマインドづくり〜3ステップ〜
「きっぱり断るのが苦手だよ...」と感じている人が「きっぱり断れる自分」になるためには、自分自身について理解していく必要があります。
どのように自分を知っていけばいいのか?
3ステップで説明します。
1.丸投げしてきた上司にきっぱり断ったとしたら、自分がどんな状況に陥ってしまうと思っているのかを発見する
「仕事を丸投げされた時、きっぱり断るのは普通だろ」と思っている人と、「仕事を丸投げされても、上司になかなかきっぱり断るのは勇気がいるよ」と思っている人では何が違うのか?
それは、きっぱり断ったあと!!「どんなコトが起こると予想してるのか?」
事後のイメージが違うのです。
「仕事を丸投げされた時、きっぱり断るのは普通だろ」と思っている人
👇
できないから断ったダケ
👇
多少嫌な顔されるか怒られるかのことでしょ…
「仕事を丸投げされても、上司になかなかきっぱり断るのは勇気がいるよ」
👇
上司に意見を言うなんて、何を言われるのか...
👇
怖い...
比較すると「丸投げ仕事は断るのが普通だろ」と感じている人は「多少嫌な顔されるか怒られる」ということを理解しています。
この状態は「心の準備」ができている状態です。
しかし、一方で「何を言われるのか怖い」と感じている人は、漠然とした不安を覚えています。
起こるであろうこと心の準備ができていない状態です。
準備ができている、できていない。
この差が行動を決めます。
2.自分が「きっぱり断れない」時のパターンを知る
「仕事を丸投げ」されたときだけ断れない。という人は少ないものです。
きっぱりと断ることができない人は、どんなことに対しても「断る」ことを苦手としています。
「断るのが苦手」と感じる原因でよくあるのが「断ること=悪いこと」という思い込みを持っているケースがあります。
断ること。
断るという意見を伝えること。
果たして、自分の意見をストレートに伝えることは悪いことでしょうか?
一度、自分リラックスした状態で自分に問いかけてみてください。
自分自身が「断る」にどんな意味付けをしているのか?
3.最悪の状況を想定し、受け入れる(覚悟を決める)
会社員の方なら、あり得るのかもしれません。
上司に意見することが「反抗」と捉えられ、職を失うことも…
「最悪、クビになってしまうかもなぁ〜」と予想し、そうなった時、自分はどうするのか?
最低最悪の状況を予想すると、具体的に取り組むべき行動が明確になります。
と、同時に腹をくくることができます。
自分の意見を伝えるというのは、内容によっては「覚悟」が必要です。
覚悟のある人の言葉には「重み」が出てきます。
その覚悟は雰囲気にも表れてきますので、無意味な仕事を丸投げされることもなくなります。
※0円でプロに相談してみるという近道
3STEPを読んでみて「自分だけで実行するのは難しい」とか「もう少し自分の状況を知ってもらった上での意見を聞いてみたい」と感じるならプロに相談してみるのもありかもです。エグゼクティブ・パーソナルセッションは初回無料なので安心して相談できます。
丸投げしてきた上司が悪いのに、質問者に厳しくない?
仕事を丸投げされていることに悩んでいる方がせっかく質問してくれたのに、優しくないアンサーじゃない?
ここまで読んでみて、そう感じられる方もいるかもしれません。
たしかに、ストレートで厳しい意見になってしまったかもしれません。
実は、記事の構成を考えた時は「仕事を丸投げされた時の5つのディフェンス方法」となりました。
そして、90%くらい記事を書き終えました。
こんな感のノウハウを記述していたんです。
【仕事を丸投げしてきた上司に、こう言おう!】
その仕事は難しいので、一緒に考えてください。
一緒にやってください。
と、頼み込みつつ巻き込みまくる
といった感じです。
で、書いてみて私はこう思いました。
40歳を過ぎた役職者の方がせっかく質問してきてくれたのに、このアンサーが本当に役立つのか?
答えは「到底、役立つとは思えない」でした。
私は仕事を丸投げする上司のコトを良い・悪いと判断できません。
もっと言えば、その判断に興味がありません。
仕事丸投げ上司は、単純に「成果をあげるための仕事の受け渡し方を知らない」だけなのだと思います。
ただ、その上司を部下の力で変えることはできません。
しかし「丸投げされた!」と、感じた人が、自分自身を変えることは可能です。
まとめ
無茶な仕事の丸投げ。
意味のない仕事の丸投げ。
こんなことをしてくる上司に対してできる最も効果的な対処は
『仕事を丸投げされない自分になる!』
でした。
仕事の丸投げとは、上司が仕事に対する責任を放棄している状態です。
責任を放棄している上司は(意図的かどうかは別にして)部下を踏み台にしていきます。
部下の方は「自分だけが損してしまう」ような状況に巻き込まれないためにも、仕事の丸投げという行為によって簡単に責任をなすりつけられてはいけません。
そのためにも、上司に丸投げされた仕事を「きっぱり断る」力を持つ必要があります。
※この意見はあくまでも「どうしてもディフェンスが必要な組織で働く場合、身を守るためにはどうすればよいのか?」についてで、そもそもこんなディフェンスを必要としなくて良い会社にしていくことがナニよりも重要な課題です。
自分の意見を伝える力を手にする!
「きっぱり断る」力を手に入れておくと、社内において自分の意見を通すためのベースが確立されます。
このベースがあると、仕事をスムーズに行うことができますし、会社員の方なら出世していくスピードに影響します。
最低でも、自分にとって不要なストレスを抱え込む必要はグンと減るはずです。
練習は簡単なところからスタート!
ハッキリ断るのが得意でない方は「断る」練習を意図的にしてみてください。
例えばカフェでアイスコーヒーを頼んだ時、
「ミルクとガムシロはお使いになりますか?」と聞かれると思います。
こんなときでも、意識的にいつもより強めで「いりません!」と言ってみるのです。
些細な行動からでも「ハッキリ断る」ということになれてくると、安易に仕事を丸投げされること自体減ってきますので、ぜひチャレンジしてみてください。
頭と心のモヤモヤを解消しませんか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本文を読んで「一人では上手に向き合えないそうにないなぁ」と感じた方、また1秒でも早く現在のお悩み、課題を解決したい方は無料LINE公式アカウントに登録してください。
☑チームマネジメントについて学びたい
☑コミュニケーションや人間関係について学びたい
☑夫婦関係・家族関係に悩んでいる。
☑重い気分をとにかくなんとかしたい。
☑社内の人間関係の問題から解放されたい。
☑安心感を育みながら会社経営をしていきたい。
☑
仲間にも話せていない、しんどい気持ちをわかってもらいたい。
☑問題が大きくなってしまった段階でのベストな対処法を知りたい。
上記のようなことを感じている方のために週に3回、朝のご挨拶と共にのべ20,000人と対話し、経営者・ビジネスパーソンの相談にのってきた経験から「コミュニケーション」や「人間関係の仕組み」についてのエッセンスをお届けしています。
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