【読了時間 約 8 分】
こんな方のための記事
「ミーティングあんまりしてないなぁ」とか「社内で議論が大切というけど、ホント?」と感じている経営者・幹部の方のための記事です。
つい先日、こんなTweetをしました。
ボクが『この会社強っ!』と思う会社の特徴を一つだけあげるとしたら、社長のカリスマ力でもなく営業のキラキラ感でもなく...
議論が上手
議論する風土の有無が一番大切。議論の無い会社はいつも同じ問題を抱えていてその問題をいつも一人が背負っているから強くない。永続的に強い会社には対話あり
— 田口淳之介@対話の専門家 (@c_junnosuke) July 16, 2020
あなたはこのTweetをどう感じますか?
経営者の議論する力が会社の収益アップ&人が成長する場作りの源
今回は会社にとって「議論することがいかに大切か」について、書いていきます。
多くの経営者や管理職の方は当然ながら「社内で議論するのは大切!」と知っています。
しかし、「なぜ議論が大切なのか?」をしっかりと説明でき、実践できているかどうか?と深く見つめていくと「議論が大切なのは知ってるけど、実際はそこまで議論できていないよ…」と、ご相談してきてくれる経営者さんも少なくはありません。
ぜひ、この記事を最後まで読み、改めて「議論」の有用性を確認していただきたいと思います。
会社の収益も人が成長する場づくりも議論から始まる
結論から言うと『会社の収益も人の成長する場づくりも、全ては議論から始まる!』です。
議論のない会社の特徴
成果 | 成果がなかなか上がらない。また、成果の上る人とそうでない人の格差が大きい。 |
育成 | 人が育ちにくい。また離職率が高い。 |
組織の雰囲気 | 一部の人や部署が優遇されているように感じている人間がいる。不平不満が溜まりやすく、どこか重い雰囲気がある。 |
議論のある会社の特徴
成果 | 微調整や改善がスピーディーなので、サービスの質が良く顧客から信頼されるので成果が上がりやすい。 |
育成 | 自分の意見を発信する・人の意見を聞くことによって、自分の仕事の目的などに理解が深く成長しやすい。 |
組織の雰囲気 | 自分の意見を伝える場があり、他人の意見を聴ける場もあるので、安心感があり明るい雰囲気。 |
強い会社というのは従業員、顧客の声が循環し、その声に対して適切な行動を選択し続けることのできる会社です。
また、声が循環するというのは、一言で言えば「風通しの良い風土」があるということです。
風通しの良い風土は働く人が安心して働ける場所なので、人が成長しやすい環境なのです。
聖徳太子が「十七条憲法」でも言ってる議論の重要性
ボクが『会社の収益も人が成長する場も、全ては議論から始まる』と考えるようになったのは、2つの理由からです。
一つは歴史を紐解いてみてです。
歴史を知ることによって、議論そのものの大切さを感じたのです。
604年(飛鳥時代)に聖徳太子が制定したとされている「十七条の憲法」
「十七条の憲法」では、今から約1,400年も前に、国をおさめるために"議論の大切さ"を問いていたのです。
とてもわかりやすい解説があったので、ご紹介します。
第一条:和を以て貴しとなし
「十七条の憲法」のなかで最も有名な条文です。世の中には人間関係がうまくいかないこともあるけれども、身分の上下に関わらず皆で議論をすれば、自然と物事はうまく進んでいくと「和」の大切さを説いています。
第十七条:夫れ事独り断むべからず。必ず衆とともに宜しく論ずべし
ひとりで物事を判断すると誤る場合もあるので、大事なことを決める際にはみんなで議論をするべきだといっています。
十七条の最初と最後に議論の大切さを定めているところから考えても、その重要性を認識させられます。
もう一つの理由は仕事での個人的な実体験からです。
様々な企業の経営者・幹部にリーダーシップ・プログラムを提供しています。プログラム中には、会社の問題となっていることについてミーティングをすることがあります。
普段から議論のある会社さんを見ていると、皆がスムーズに意見を出します。
その結果、プログラムで学習した内容を、現場で活用しスピーディーに成果につなげています。
逆に、トップダウンの文化が色濃く残っている会社では、皆が自分の意見を伝えることに慣れていません。
そのため、議論すること自体に慣れるまでの時間が必要になります。
結果、成果を受け取るまでに時間がかかるケースが増えます。
歴史を紐解き「十七条の憲法」から学ぶと共に、現代の経営層と関わらさせていただいている中で、人が集まる組織にとっていかに議論が大切なのものかを痛感してきました。
社内で議論を活性化させるために大切な3つの心得
先ほどから議論の大切さをお伝えしていますが、そもそも議論とは何か?
Webで検索すると、言葉の意味は次のように記されています。
互いに自分の説を述べあい、論じあうこと。意見を戦わせること。また、その内容。
重要な点は、意見を戦わせるのであって人が戦うのではないということです。
ここ、議論ができない人は混同しがちですよね。
自分の意見と異なる意見を聴いて、全体のために第三の意見を創出することを目的としている。
これがボクにとっての議論の定義です。
社内で議論するというのは、顧客や仲間のための新しい解を創出することを目的としてなくてはいけません。
議論を行うときの経営者(リーダー)の3つの心得
新しい解を創出することを目的とした議論を行う時に大切なことは次の3つです。
- 経営者(責任者)から心を開く
- 意見を聴く・伝えるのどちらも同じだけに大切にする
-
責任者が最後にしっかり決断する
文章にすると、とてもシンプルなものです。
しかし、実際に議論の場を創っていく過程では、難しさを感じるものです。
難しい理由は、自分自身の問題もあれば、相手の問題もあります。
議論は一人ではできないので、当然議論すべき仲間との"関係性"がテーマとなるのです。
※関係性も含め自分の責任と捉えることが大切なポイントです
組織の永続的な繁栄には議論をおこなう仕組みが必要
会社が永続的に収益を伸ばし続けらるかどうかは議論の有無で決まります。
そして、その議論の場を創造し文化にしていくためには仕組み化が必要です。
収益を直接もたらすビジネスモデルの仕組み化より前に、活発な議論を行い続ける仕組み化が大切と言えます。
議論のある会社の未来は明るい
議論は新しいサービスを生み出したり、現状の問題を解決し収益を創り出す源になります。
同時に、参加意識を高め人の笑顔を創ります。
つまり、あなたが社内の議論を活性化させる力を発揮すると、強くて豊かな会社の文化を育むことになるのです。
簡単セルフワークをご紹介
これまで議論がなかった会社で、急に「議論をしよう!」と叫んでも、みんな驚くだけで全くうまくいきません。
なので、まずは簡単な一歩目からスタートしましょう!
オススメのセルフワーク
3日間、社内を観察してください。
三日間、議論があるかないか?社内を観察してください。
議論が少ないと感じたら、その原因を下記の理由に当てはめてみてください。
①自分が要因
②他の誰かが要因
③物理的な(多くの場合時間的な)要因
これから未来に続く会社にしていくためにも、まずは焦らず現状を把握することが一番大切です。
ぜひ、自分自身に向き合ってみてください。
LINEお友達登録無料!
経営層・ビジネスパーソンの相談はこちらから